アイス・バケット・チャレンジは寄付のブルーオーシャン

アイス・バケツ・チャレンジ(Ice Bucket Challenge)の寄付額が、7月29日から8月27日の期間において9430万ドル(約97億円)に達したという。アイス・バケツ・チャレンジとはALS(筋萎縮性側索硬化症-きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)の認知度を広めたり、その病気のための寄付を集めるために行われているチャリティー運動の1つである。

アイス・バケツ・チャレンジのルール

アイス・バケツ・チャレンジはSNSで指名されれば「ALS Association」に100ドルの寄付をするか、氷水のバケツをかぶり、また次の人を指名するルールの下で行われるチャリティである。このチャリティー活動は有名人が多数参加したことにより、爆発的に広がり、寄付金の増加スピードも早い。

チャリティがより楽しく、より手軽に

アイス・バケツ・チャレンジの素晴らしいところは、今までの寄付の概念を打ち破ったことにある。チャリティーというのはいろいろと事前に用意したり、地道に活動するというものだったが、このアイス・バケツ・チャレンジは、指名されたものが、インターネットとバケツと氷水だけを用意すればいいだけである。

アイス・バケツ・チャレンジの目的の一つであるALS Associationへの寄付は、ネットから簡単にできるし、チェーンメールのような形で、どんどん周りを巻き込んでALSの認知度が広まっていく。そしてチャリティ活動のために、通常のやり方でかかっていた運営側のコストは無いに等しい。

さらに有名人が参加した影響力で、広がり方がすさまじく大きなものになり、これはまさにブルーオーシャンの法則にのっとったものである。

寄付のブルーオーシャン(Blue Ocean)

ここでいうブルーオーシャンというのは既知の事柄を今までにない形で置き換え、ムダなものを削り、効率化を伴いながら、ティッピング・ポイント・リーダーという手法で、その置き換えたものを塗り替えていくことである。

ティッピング・ポイント・リーダーというのは、大勢の人たちを動かす必要がある時に、影響力のある少数の力を借りることによって、少ない労力で実現することである。

このアイス・バケツ・チャレンジは楽しみながら寄付を集め、ALSという難病の認知度を広めることに成功したことで見事な寄付界のブルーオーシャンと言えるだろう。この考案者は恐らくどの企業も欲しがる人材なのではないかと思う。

また米国の寄付文化やベンチャー気質がこのような新たなチャリティを生んだのだろう。タレントがギャラをもらってチャリティ活動をする日本ではこういったものは生まれにくいといえる。1度できてしまった常識というのは、打開するのがなかなか難しいのである。

寄付でもビジネスでも結局は同じである。アイス・バケツ・チャレンジは賛否のある寄付活動だが、ビジネス的観点からでも学ぶべき点はあるのではないかと、今回のブームを見ながら感じたのである。ただ1つだけ危険性があるとすれば、氷水のバケツが重すぎて頭にぶつけるような失敗例もあるので、その辺の注意喚起はしておくべきではないかと思う。


ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する (Harvard business school press)


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